ウェビナー【オーストラリア企業の調査方法】
日本貿易振興会(ジェトロ)様との共催で、4月21日(木)にウェビナー【オーストラリア企業の調査方法】を開催させていただきました。
約170名の方に参加登録をいただき、約130名の方にライブで視聴をいただくことができました。
ご参加をいただきました皆様、ありがとうございました。
ウェビナーの映像は、こちらのウェブサイトで視聴することができます。
また、ウェビナーの資料は、以下のリンクからダウンロードすることができます。
日本貿易振興会(ジェトロ)様との共催で、4月21日(木)にウェビナー【オーストラリア企業の調査方法】を開催させていただきました。
約170名の方に参加登録をいただき、約130名の方にライブで視聴をいただくことができました。
ご参加をいただきました皆様、ありがとうございました。
ウェビナーの映像は、こちらのウェブサイトで視聴することができます。
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京都府 商工労働観光部 経済交流課 海外ビジネス支援係が主催する「京都海外ビジネスセンター イノベーションセミナー」で、日本企業のオーストラリア進出をテーマとする以下の3つの動画セミナーを撮影させていただきました。
(1)動画20:オーストラリア企業と安全に取引するには~豪州を熟知する弁護士が語る与信調査と担保設定について(約17分半)
(2)動画21:オーストラリア進出には、子会社・支店・駐在員事務所のうち、どれを選びますか?~豪州を熟知する弁護士が語る豪州市場への進出方法(約14分)
(3)動画22:オーストラリアではブラック企業は絶対ダメです~豪州を熟知する弁護士が語る豪州連邦法の現代奴隷法(約8分半)
いずれの動画についても以下のリンクから視聴することができます。
リンク:京都海外ビジネスセンターイノベーションセミナー | 京都海外ビジネスセンター (kyoto-obc.jp)
今回は私がオーストラリアの法律や経済に関する最新情報を得るために使用しているリソースをご紹介します。
私がこのオーストラリア法ブログで記載している情報やTwitterで発信している情報は以下のリソースから得た情報を元にしていることが多いです。
1.Lexology
オーストラリアの法律事務所が発信している法律最新情報記事(Alert)やオンライン出版物の情報をカテゴリーごとにまとめてメールで配信してくれるサービスを提供しています。週に2~3回配信され、これに目を通していればオーストラリアの法改正の動きを逃すことはないと思います。無料のサービスで素晴らしいです。有料で同じようなサービスを提供している会社がいくつかありますが、自分で3つくらい使用してみた結果、このLexologyで十分と思いました。
オーストラリアの多くのビジネスパーソンが読んでいると思われる、日本の日経新聞に相当する新聞です。私は日経新聞とAustralian Financial Review(AFR)の両方を毎日読んでいるのですが、AFRの方が興味分野が細かく分けられており、また、業界のうわさ的な記事も載っています。たとえば、AFRにはPropertyという不動産専門のセクションがあるのですが、ここではどの都市のどのビルがWaleがどれくらいでCap Rateいくらで誰が誰に売却したといったような具体的な情報が記載された記事が出ています。また、Street Talkというセクションがあり、公表されておらず水面下で動いているM&Aの交渉などのうわさが書いてあったりします。AFRを読んでいればオーストラリアの大きなM&A取引や不動産取引の動きを逃すことはないと思います。月59豪ドルを支払って購読していますが、その価値は十分にあると思っています。
小さな取引も含めてオーストラリアのM&A取引や不動産取引の最新情報をおさえるためにはMergermarketがよいですが、このサービスは有料であり、また、大きな取引はAFRでおさえられるし、日系企業関係はMarrでおさえられるので、今のところMergermarketは購読しなくてもよいかと思いっています。
Marr Onlineでは日本企業による日本国内外のM&A取引が細かいものも含めて速報でメールでお知らせしてくれるメール配信サービス(1日2回くらい配信)を無料で提供しています。配信されるメールのうち、オーストラリアに関するものはチェックしますし、また、自分のクライアントである企業やオーストラリアに進出している企業のM&A情報はオーストラリアに関連しない取引情報であってもチェックします。
クイーンズランド州弁護士会は月1くらいの頻度で最新の法改正や会員向けセミナーなどの情報を記載したニューズレターを発信しています。ただ、このニューズレターは、クイーンズランド州弁護士会のメンバーしか受信できないかもしれません。
また、クイーンズランド州弁護士会のVirtual Legal LibraryはLexisNexisやThomson Reutersなどの判例・情報検索システムも小規模な事務所のためにオンラインで提供しています。これらの検索システムの導入は非常に高額であり小規模事務所にとってかなりの負担となるため、このサービスは非常にありがたいです。
あとは、NNA(オーストラリアの新聞記事を日本語で提供する有料サービス)やJetroシドニー事務所のニューズレター(オーストラリアの法改正・経済動向やセミナー情報が記載されている。無料)なども有益かと思います。
上記以外で有益なサービスがあれば、ぜひ情報をご共有ください。
日本において、ある個人の日本国籍の有無については、役所の戸籍を調べれば分かります。しかし、戸籍謄本を入手するためには、本人又は親族で無ければ原則としてできません。
他方、オーストラリアでは、日本の戸籍に相当するものは存在しないのですが、ある個人がオーストラリア国籍であるか否かは、Australian Electoral
Commission(オーストラリア選挙委員会)が管理するオーストラリアの選挙人名簿を調べることで確認ができます。オーストラリアでは18歳以上が成人とされ、オーストラリア国籍を有する成人はオーストラリアの連邦及び州の選挙において投票する義務が課されており、投票をするためには選挙人名簿に登録する必要があります。したがって、基本的にオーストラリア国籍を有する成人はこの選挙人名簿に登録されているはずです。
オーストラリアの選挙人名簿は、こちらのウェブサイトで検索することができます。
ただし、見ていただければ分かるとおり、ある個人が選挙人名簿に登録されているか否かを検索で確認するためには、当該個人の氏名と住所の情報が必要になります。ある個人の住所を知るためには、ASICの会社登記簿には取締役又は株主の住所が記載されますから、ASICの会社登記簿において当該個人の氏名検索を行なってみることが考えられます。また、不動産登記簿において当該個人の氏名検索を行なって当該個人が所有者として登記されている不動産を検出して当該不動産の住所が当該個人の住所だとあたりをつけることも考えられます。
これまでに何回かこのブログを見た方からオーストラリアの法律に関する書籍を紹介してほしいという連絡を受けることがありました。そこで今回はオーストラリアの法律の各分野における定番の基本書を紹介します。基本書とは、特定の法律分野の基本的な内容が一通り書いてある本のことで、それ一冊を手元においておけばその分野の法律に関しては安心できるというものをいいます。例えば、日本法では、会社法であれば江頭『会社法』、民法であれば内田『民法』、破産法であれば伊藤真『破産法』等々です。
会社法: 『Ford, Austin and Ramsay’s Principles of Corporations Law』(16th Edition)、著者:Robert P Austin、Ian M Ramsay、出版社:LexisNexis Butterworths
日本法における江頭『会社法』に相当します。豪州のコーポレート・ロイヤーでこの本のことを知らない人はいないと思います。会社法に関するリサーチをする際にまず開く本です。
金商法(業法関係): 『Securities and Financial Services law』(9th Edition)、著者:Robert Baxt、Ashley Black、Pamela Hanrahan、出版社:LexisNexis Butterworths
オーストラリアの金融関係の法規制について網羅的かつ詳細に説明してある数少ない本の一つです。
金融取引法: 『Australian Finance Law』(7th Edition)、著者:King & Wood Mallesons、出版社:Thomson Reuters
オーストラリアの六大法律事務所の一つであるKing & Wood Mallesonsがファイナンス取引の実務について網羅的に説明している本です。日本の西村あさひ法律事務所が出版した『ファイナンス法大全』に位置づけがよく似ており、オーストラリアのファイナンス取引の実務を理解する際に役に立ちます。担保・保証の設定・対抗要件具備、担保の順位づけ等についても書いてあります。
倒産法: 『Keay’s Insolvency – Personal and Corporate Law and Practice』(9th Edition)、著者:Michael Murray、Jason Harris、出版社:Thomson Reuters
オーストラリアの倒産法関係に関する本の中でこの本が一番しっかりしています。倒産法は法律の条文だけ読んでも実務がどう動いている分からないことが多いのですが、この本は実務的な面もカバーしています。
労働法: 『Stewart's Guide to Employment Law』(5th Edition)、著者:Andrew Stewart、出版社:The Federation Press
日本の菅野『労働法』に比べると若干薄い感じですが、基本は押さえており、労働法の専門弁護士でない限りはこれ一冊で大体事足りると思います。
民事訴訟法: 『Australian Civil Procedure』(11th Edition)、著者:Bernard Cairns、出版社:Thomson Reuters
オーストラリアでは連邦の裁判所と州の裁判所があって訴訟手続が異なり、州の裁判所も各州毎に訴訟手続が異なっているのですが、この本では連邦及び各州の全ての訴訟手続を網羅して説明しています。Discovery、Privilege等の日本には無い訴訟関係手続についても説明されています。
契約法: 『Principles of Contract Law』(5th Edition)、著者:Jeannie Paterson、Andrew Robertson、Arlen Duke、出版社:Thomson Reuters
契約法に関しては別にもっと版を重ねている本もあるのですが、私は上記の本が良いと思っています。この本では判例で示された原則のみが簡潔に説明されており(他の契約法に関する本では長々と判例が引用されたりして分かりにくい内容のものが多い)、使い勝手がよいと思います。
信託法: 『Jacobs’ Law of Trusts in Australia』(8th Edition)、著者:J D Haydon、M J Leeming、出版社:LexisNexis Butterworths
オーストラリアの信託法関係で最も権威のある本だと思います。信託法関係のリサーチならまずこの本にあたります。裁判所の判例にもオーソリティとしてこの本の内容が引用されたりしています。
国際私法: 『Nygh’s Conflict of Laws in Australia』(9th Edition)、著者:M Davies、A S Bell、P L G Brereton、出版社:LexisNexis Butterworths
各法分野毎におけるオーストラリアの国際私法のルールが細かく説明されています。反致(はんち - renvoi)に関する説明もしっかりしています。なお、オーストラリアの国際私法は制定法ではなく判例法です。
日本企業がオーストラリアに進出する際には、自社がオーストラリアにおいて行なおうとしている事業について、オーストラリアで政府の許認可等が必要になるか否かを調査する必要があります。日本企業が自ら豪州で現地法人を立ち上げる場合はもちろんのこと、豪州の会社を買収する場合にも、きちんとリーガルデューディリジェンスを行なって、買収対象の会社が事業に必要な許認可を取得しているか否かを調査する必要があります。
この事業許認可に関する調査を行う上で便利なのが、Australian Business Licence and Services Informationのウェブサイトです。このウェブサイトの検索システムで画面の指示に従って必要な情報を打ち込んでいけば、事業に必要となる許認可について詳細かつ網羅的な情報を得ることができます。このABLSIのウェブサイトは無料ですし、実際にオーストラリアの法律事務所がM&A等のデューディリジェンスにおいて必要事業許認可の調査を行う際にもこのウェブサイトを利用しています。許認可の根拠法や所轄官庁、許認可の申請手続が記載されているウェブサイトのリンク等も記載されており便利です。
オーストラリアは連邦制をとっており、「連邦法による規制」と「州法による規制」の2種類があり、州法は州毎に内容が異なります。したがって、どの州で事業を行なっているかによって必要な許認可が異なる場合もあります。しかし、ABLSIのウェブサイトでは連邦法と州法の両方をカバーしており、連邦法において必要となる許認可と州法において必要となる許認可の両方の情報を得ることができます。
事業の許認可に関して、一般的に言って、日本よりもオーストラリアの方が規制が緩やかであるといえます。日本では当然に許認可が必要になる事業であるのに、オーストラリアでは許認可が必要にならないという事業は数多くあります。例えば、労働者派遣事業は日本では労働者の中間搾取を防ぐという観点から労働者派遣法によって規制されており、事業を行なうためには厚生労働省の許可が必要になりますが、オーストラリアでは特に規制されておらず、許認可は必要ではありません(ただし、下記の2018年2月7日付の追記を参照)。なお、オーストラリアでは労働者派遣はLabour Hireといいます。また、日本では、金銭の貸付を業として行う貸金業について、貸金業法に基づく登録が必要になりますが、オーストラリアでは貸付の相手方が消費者ではなく企業のみである場合には、特に許認可は必要となりません。但し、貸付の相手方が消費者である場合には、National Consumer Credit Protection Act 2009 (Cth)に基づくCredit Licenceが必要になります。
*(2018年2月7日付追記) 2017年に、クイーンズランド州と南オーストラリア州において労働者派遣事業を許認可制とする新しい法律が制定されたため、この2つの州では労働者派遣事業は許認可が必要な事業となりました。また、ヴィクトリア州でも同様の法律が制定される予定です。
日本で企業の信用調査を行う場合には、帝国データバンクや東京商工リサーチを利用して信用調査情報を入手するのが一般的ですが、オーストラリアでは、Dunn &
Bradstreet(D&B)という調査会社がよく利用されています。
D&Bが提供する信用調査レポートには「包括的なもの(Comprehensive Report)」と「基本的なもの(Financial Risk ReportとPayment Risk Report)」があります。 Financial Risk Reportは相手方の財務状態の健全性を確認するものであり、Payment Risk Reportは相手方の支払いの信用度を確認するものとなっています。なお、Comprehensive Reportには、これらの情報は全て含まれています。Comprehensive Reportのサンプルは、こちらで見ることができます。
レポートの取得費用は、Comprehensive ReportはA$396/1社、Financial
ReportはA$170/1社、Payment Risk ReportはA$77/1社となっています。
どのReportを取得するかについては、どのような情報がほしいかという点と費用の点を考慮して決定しますが、一般にはComprehensive Reportを取得するケースが多いといえます。
なお、東京商工リサーチはD&Bと提携しており、東京商工リサーチを通じてD&Bの信用調査レポートを入手することも可能です。東京商工リサーチのウェブサイトでは、D&Bの信用調査レポートに関する日本語の説明も記載されています。
これまでにオーストラリアの公的情報の入手方法をいくつか説明してきましたが、これらの公的情報は、個人や会社の名前を入力して検索をすることができるようになっています。たとえば、会社、不動産等の登記情報について、個人の名前を入力して検索を行った場合、当該個人が取締役や株主になっている会社、又は当該個人が所有している不動産の情報を入手することができます。
これによって、当該個人がオーストラリアでどのような会社を経営しているのか(当該個人が取締役又は株主となっている会社は当該個人が経営に参加していると考えられます)、当該個人がどのような不動産を所有しているのかといった情報を得ることができ、ちょっとした資産調査を行うことができます。
実際にあった例として、日本在住の日本人が同じく日本在住のオーストラリア人に対して契約違反に基づく損害賠償請求に関する訴訟を日本で起こそうと考えており、相手方となるオーストラリア人が損賠賠償を支払えるだけの資産を持っているかを確認する必要がありました(相手方が資産を持っていなければ、訴訟で損賠賠償を認める判決を取得しても相手方は損害賠償を支払うことができず、判決は絵に描いた餅となってしまうため)。
そこで、この相手方のオーストラリア人の名前を入力して不動産登記情報の検索を行ったところ、このオーストラリア人はオーストラリアに複数の不動産を有していることが判明しました。相手方が資産を有していることが確認できたので、日本人は相手方に対して日本で訴訟を起こすことにしました。日本で勝訴判決を得ても、当該判決をオーストラリアで執行するためにはオーストラリアにおける外国判決執行の手続が必要になるのですが、これについてはこちらの記事をご参照ください。
オーストラリアでは、オンラインで訴訟の調査(Litigation Search)を行うことができ、調査対象者の名前を入力して、調査対象者が当事者となっている訴訟の有無及びその案件の概要を知ることができます。
たとえば、クィーンズランド州の裁判所の場合は、こちらでLitigation Searchを行うことができます。オーストラリア連邦裁判所の場合は、こちらでLitigation Searchを行うことができます。
上記のとおり、Litigation Searchのデータベースは裁判所毎に管理・運営されているため、Litigation Searchは裁判所毎に行う必要があります(たとえば、クィーンズランド州の裁判所のデータベースではクィーンズランド州の裁判所に係属した訴訟案件しか調査できません)。
Litigation Searchでは、現在係属している訴訟案件のみならず、既に終了した過去の訴訟案件についても調査を行うことができます。
取引相手の名前で検索をすれば、取引相手が現在どのような訴訟案件に関与しており、また、過去にどのような訴訟案件に関与していたのかがわかります。あまりに関与してる訴訟案件の数が多いのであれば、その取引相手と取引をすることには注意が必要であるといえます。
以下に、裁判所毎のLitigation Searchの所要時間及び費用について記載します(情報は本記事を記載した2015年5月時点のもの)。
連邦・州 |
裁判所 |
所要時間 |
費用 |
Comm |
High Court |
24-48 Hours |
$21.00 (up to 10 names) |
Comm |
Federal Courts (Including |
24 Hours |
Nil |
FAIR WORK AUSTRALIA |
24 Hours |
Nil |
|
ACT |
ACT Supreme - Civil |
24 -48 Hours |
$25.70 (UPTO 6 names: |
ACT Magistrates - Civil |
3 Working Days |
$25.70 (UPTO 6 names: |
|
NSW |
NSW Supreme - Civil |
24-48 Hours |
$80.00 |
NSW Land & Environment |
10 Working Days |
$40.00 (up to 6 names) |
|
NT |
NT Supreme - Civil |
24 Hours |
$31.00 |
Qld |
QLD Supreme Court - Civil |
24 Hours |
Nil |
QLD District Court - Civil |
24 Hours |
Nil |
|
Magistrates - Civil |
24 Hours |
$23.00 |
|
Queensland Industrial |
24 Hours |
Nil |
|
Queensland Civil & |
5 Working Days |
$15.00 |
|
QLD Land Court |
24 Hours |
Nil |
|
SA |
SA Supreme - Civil |
5 Working Days |
$22.20 |
SA Environment Resources |
3 Working Days |
$22.20 |
|
SA District - Civil |
3 Working Days |
$22.20 |
|
SA Magistrates - Civil |
5 Working Days |
$22.20 |
|
SA Industrial Relations |
24 Hours |
Nil |
|
TAS |
Tas Supreme - Civil |
24 Hours |
$25.00 |
Tas Magistrates - Civil |
24 Hours |
$21.90 |
|
Tas Resource Management and |
24 Hours |
Nil |
|
VIC |
Vic Supreme - Civil |
24 Hours |
$22.50 |
Magistrates - Melb (Closed |
5-10 Working Days |
$22.00 |
|
Vic County Court - Civil |
24 Hours |
Nil |
|
VCAT (includes Land & |
3 Working Days |
$52.60 |
|
WA |
WA Supreme - Civil |
24 - 48 Hours |
$32.70 |
WA Supreme - Court of Appeal |
24 - 48 Hours |
$32.70 |
|
WA District - Civil |
48 Hours |
$32.70 |
|
WA Magistrates - Civil |
24 Hours |
$32.70 |
|
WA Industrial Relations |
24 Hours |
$20.00 |
|
WA State Administrative |
24 Hours |
$15.95 |
以前にオーストラリアにおける公的情報の入手方法について説明しましたが、今回は、オーストラリアで公的情報を利用して、取引相手から開示されなかった情報を入手した例を2つ紹介します。
1つ目の例ですが、オーストラリアのディベロッパーが進めている不動産の開発プロジェクトに日本企業が投資を行うという案件で、既に同プロジェクトに投資している投資家がいるのですが、ディベロッパーがこれらの投資家の名前を明かさないということがありました。日本企業は、この開発プロジェクトの対象となっている不動産の登記情報を取得したところ、特別目的会社(Special Purpose Company)が不動産所有者であることが判明しました。この特別目的会社の会社の登記情報を取得したところ、ディベロッパー以外に2社の会社がこの特別目的会社の株式を所有していることが判明しました。この登記情報の調査により、この2社の会社が、ディベロッパーが名前を明かさなかった投資家であることが分かりました。
2つ目の例ですが、日本企業がオーストラリアで何箇所ものデータ・センターを運営している会社と取引を行おうとしたところ、当該会社はデータ・センターの顧客(データ・センターにサーバーを置いている顧客)の情報を開示しませんでした。そこで、このデータ・センターの所在地の不動産の登記情報を取得したところ、登記情報にはデータ・センターの賃貸借の情報が記載されていました(クィーンズランド州では3年を超える賃貸借は登記しなければ登記された権利に対抗できないことになっているため、3年を超える賃貸借は登記する必要があります)。データ・センターにサーバーを置いている顧客は、データセンターの運営会社からデータ・センターのスペースを賃借して、サーバーを設置していたため、賃貸借の情報が不動産の登記情報に記載されていたのです。こうして日本企業はデータ・センター運営会社の顧客が誰であるかを知ることができました。